8月30日

彼らの目には、このステージはどう見えたのだろう。神奈川公演2日目は、これまで以上に混み合った関係者席を下から見上げて始まった。

 


これまでずっと一緒に同行した友人と初めて別で観覧した。本日の同行者は友達の友人。初めまして、と落ち合い、中に入る。センター後方ではあるが中央付近で見やすい席だった。

横アリは低音が効く。冒頭のドラムの音が体によく響く。イントロから一曲目にかけての昂り方がどうにも好きだ。白に黒のノイズが走るスクリーンの演出に合わせ力強いドラムの音が雷鳴のように響いていき、一曲目終了とともに爆竹の音と火花が散ったあと、ツアーロゴが映し出されるあの演出、アクセル全開で踏み込んで駆け抜けるSHOWの始まりを感じずにいられない。

昨日から追加されたダンスは今日もあったので、BDだったからというわけではなさそうである。でもやっぱり、サンプリングされた音だったり演出はオマージュかな、昨日より幾分か冷静な頭で見て思った。

はなちゃんのストーリーで、「生で踊り歌うところを見たかった」とあったが、まさにその通りである。1987年にKINGは同じく横浜でライブをやっていたが、生まれてないんだなーーー!見たかったなーー!!折に触れて今後もそんなことを思うのだろう。

だからこそ、同じ時代を生きている彼を追えることは幸せなのだろうと思う。自分の生きている時代に、これだけ好きになれる人が居ることはものすごく人生を豊かにしている。ありがとう、あなたのおかげで私の人生に幸せのエッセンスが足されています。


めでたい事に本日は直人さんのお誕生日である。残念ながら本体での某観察バラエティの収録だったようだが、ご本人不在の中彼の音頭でお祝いをした。何度も言うが本人不在である。そういえば彼は本人不在の中お祝いされた事があった人だったな…懐かしいケーキの写真が思い浮かんだ。

「直人さんお誕生日おめでとうございまぁーす!」「おめでとーーーう!!!」うんうん頷き「今頃感じてると思います」なんて言う31歳ほんと今すぐ保護してほしい。そしてお祝いされた側は35歳。ほんと直己さんの言葉を借りるならデビュー以降若返り続けるベンジャミン・バトンである。年齢を知っていても嘘でしょ、と思わず声が漏れた。


さて、8月11日から変わらず不調期がなかったかのように伸びやかな彼の歌声だが、一曲だけ、これまでの5公演を通して安定していなかった曲があった。

ONE DAYである。

リリースされた時からあまりにも難しい譜面にこれソロ配信一曲目は攻めたな?!と驚いたものだ。難しいからこそ彼の楽曲で最も好きな曲でもある。だが、J-WAVE LIVEでも他楽曲に比べ苦戦していたこの楽曲は、4週間後には随分持ち直したものの最も高音のタイミングでは本人の声が上がりきっていないように聞こえていた。J'Nique(めっちゃウマと思ってたらAiちゃんのコーラスもやってた)のハイトーンに引き上げてもらっている、そんな印象をここまで払拭できずにいた。(高音以外も会場によっては半音下がったりブレたりしていたように聞こえていたわけだが)

今日のONE DAYは生で聞いてきたONE DAYで過去1だったように思う。少し震えた部分もあったような気がしたが僅かで、これまでの5公演のどれよりも伸びやかに透き通り、素晴らしいものだった。なんだかようやく肩の荷が降りたような気がする。

関係者席の彼にこのステージはどう映ったのだろう。君の相方はまた一つ階段を登ったよ。


昨日からまた少し変わった点は洋楽カバーの曲紹介で歌詞に言及したこと。

大人なセクシーさというか、シーツの中での愛の形とか、なんだかそんなことを言っていた気がする。最初に聴いたときなんて歌詞だと思ったな。直訳するとあまり情緒が無い気がするから不思議である。もう一曲に関しても懺悔の曲なんですけど、と掻い摘んで話してくれた。

ところで渋谷のTSUTAYAに連れてって洋楽を買い与えてくれた人は某オーデ後拾ってくれた人のことなのかな。ちょっとソワソワした。


そしてやはりいつも泣くところで泣いた。今日はなんだか特に声も気迫も素晴らしくて、胸が鷲掴みにされたかのようだった。本日もマフラータオルがなく、なんとか溢れないように必死だった。同行いただいた方に気遣われてしまった。申し訳ない。


「辛いこと悲しいこと、あります。」

ずっと思ってきたことだが、彼は「あります」と肯定する。誰しも「あると思います」と使う中、ネガティブな事だって生きていればあるよ、と言う。そりゃそうだ。常に楽しく幸せなことばかりではない。時は有限で、失くすものがある。変わっていくものがある。それを悲しいと思うことは当然ある。それをどう受け止め、自分の時を進めるかは自分次第だが、彼はそこに歌で寄り添えるシンガーになろうとしてくれる。幸せになって、と背中を押してくれる。

なら、幸せになんないとね。だから、貴方も幸せでいてください。そして願わくは、新潟までに彼女が少しでも前を向けたらいいなぁ、なんて、夜明け前からラストにかけて、隣にいようとなかろうと毎回そんなことを考える。彼女との話はまた機会があれば述べようかな。


後半は初日から大きな変化はないが、毎度のことなので今日も記録としてタンクトップチャレンジについて言及する。

6戦目→惨敗

今日は右手にテンションがかかりすぎたのか、首元から斜めに裂けたため、とりあえずなんとか腰まで下ろし、水を撒き、しゃがんで頭を振りながら少しずつ破こうとするも千切れず、最終的にステージに戻るタイミングで上から脱ぎ捨てていた。

戦績としては黒星だが、反らされた脇腹とか、腕を上げた時の背筋や肩甲骨周りが拝めたので私の戦績としては白星である。もうどれも正解だよ!


メドレーが始まってからも始終ニッコニコで、ノッているというか、ライブ楽しいんだろうなぁ、と思わせてくれる。CRで「昨日の方がすごかったかも」と煽るのはもはや2日目の常套句なのかな。身体を折り曲げながらステージから煽る彼はいつだって全力だ。全力で応えるしかない。

「昨日は家族が来ていて、今日はLDHのアーティストとか、メンバーが来てくれている」

俄かに騒つく会場にもまた、「三代目やっぱ盛り上がりますね、最高だな~」なんて。

彼を、彼らを特別だなんて。

さまざまな岐路が交差した上に今の彼らがあって、ここで歌う彼がいる。人生一度きりの中、出会うべくして出会ったのか、かの曲がリリースされて加速した彼らを思うたびにそんなことを思ったな、改めてまた思った。

来年また一つ力をつけた彼らが会した時、どんな爆発的なエネルギーが生まれるのだろう。

振り落とされないように私も力をつけないとだなぁ。確実に自分が後悔なく生きるための要素の一つになっている彼らを8年前の自分に教えてやりたい。

そして、関係者席に座る彼らと、後輩たちと、しっかり学んだ彼とそのアニキたち、そして先輩方、彼らの目に、このライブがどう映ったのだろうか。帰路につきながらそんなことを思った。