0714横アリを終えて

ここに記すのはあくまでも筆者の主観であり、読む方によっては気分を害されることがあるかもしれません。

でも声を掛けられた内容は事実であり、そういったことが13日も横行した事もスタッフの方が口にされたことも事実です。残念。

 

 

 

音楽が好きだ。アーティストにはどんな時でも生きてる中で寄り添ってくれる音楽をありがとう、という感謝と、表現者へのリスペクトをいつでも忘れずにいたい。

fes.はそんなアーティストや普段意識して耳にしない音楽への出会いの場だと思っている。オルスタが一般的な中、座席のあるJ-WAVE LIVEは音楽フェスとしては優しめだろう。20周年記念の今年は豪華なアーティストの面々に楽しみは一入だった。


念のため言っておくが、私は彼のファンである。

だがこのフェスに来るたび、私は彼のファンである人たちが苦手になる気がし、フェスから、現場から、足が遠のきそうになるのだ。

 


昨年の7月に遡る。

ありがたくも先行で取れたチケットを握りしめ、翌月に控えたソロツアー初日に想いを馳せながら臨んだ横浜アリーナ3日目の思い出は少し悲しさを伴う。2日目がめちゃくちゃ楽しかったから余計にだ。

オープニングアクトはシンプルにアコギとキーボードだった。後ろの人は始まっても会話をやめなかった。playが始まっているのに、彼らの耳は音に向かずお友達との会話に向いていたのだ。耳に音楽以外の音が入るのが耐えられなかった。別にイヤホンで音楽を聴きながら乗っている電車じゃないんだここは。

ふと俯くと隣が眩しい。SNSのアイコンが連なっていた。もう照明が落ちて演奏が始まっているのにだ。

オーディエンスはその後も座ったまま、ちらほらと立ってノッている方もいらっしゃったが、センター(一般的なアリーナ)ですら半分以上が座ったままでフェスってこんなんだったっけ?となった。よく座ったまま今の聞けたね?


「思わず笑ってしまった。みんな座ってるから、今からここで講義でも始めないとなのかなって思った」

とあるアーティストの言葉がわたしには忘れられそうに無い。

オーディエンスをノせてなんぼなバンドからすれば異様だったろう。


なのに、彼が登場しただけで耳をつんざくような歓声と嬌声で、仕方のないこととはいえあまりにもな温度差にスッと冷める感覚を覚えた。

それは、残念なことに今年も同じだった。

 


第一弾として発表された名だたる面々にバンマスまで、生で音浴びたい!圧倒的ボーカル力の応酬!こんなコラボもアレンジもメンツが一堂に会するのも絶対もう二度と見れない!聞けない!とワクワクしながら申し込み当選したチケット。ありがたいことに前方のお席をいただいていたようで震えながら自席に向かった。

するとすぐに、歳若いお嬢さんに声を掛けられた。

「どなたのファンですか?」

正直に答えた

「全員です」

今市隆二のファンなんですけど、そのタイミングだけ席を代わってくれませんか」

 


いやいやいやいや    え????????

 


丁重にお断りした。

するとすぐにスタッフに声を掛けられた。

「席の交換を持ちかけられましたか?」

「声を掛けられても絶対に全て断ってください」

「昨日のTAKAHIROさんの時に交換が多くてすごく問題になってるので…」


全てを悟った上にものすごく申し訳なく、悲しくなった。

加えて今後の外仕事への影響を危惧した。


オールスタンディングのフェスでは、交渉によってブロック内で推しアーティストの時だけ前に入らせてもらえるような、オーディエンス間でのコミュニケーションはよくある。

いいよ、いいよ、前行きなよ!好きなんでしょ!音浴びてきな!なんなら汗浴びてきな!

みたいな。

だがそれはブロック分けされているオールスタンディングで場所の移動が容易な場合に限ると理解している。興味ない態度で突っ立ったまま地蔵されるより随分マシだとも思う。

だがフェスとはいえ全席指定の横浜アリーナでそれは難しい。まぁわたしも彼のファンなので交換する気もさらさら無いわけだが。


諦めきれないのか彼女たちは色んな方に声を掛けているのも見えた。だけど全部スタッフにも見られていた。

こういった行動が、あの事務所のファンはマナーが悪い、と主催者側が認識することに繋がるよな…と残念な気持ちのままスタートしたライブはそれはそれは楽しかった。

音を全身で浴びて、オリジナルとは異なるアレンジでも心地よく馴染むサウンドに耳が喜ぶ。まさに至福の時間だった。


だがスペシャルなバンドは、トリを前に最後だと言う。一昨年前の話を思い出した。

ああ、やっぱりな。


第二弾として名前が出た時、赦されたのかと思ったけどそうではなかった。

ツアーメンバーそのままのステージはそうせざるを得なかったのか、そうしたいと思ってそうしたのかは我々には知る由もない。

リハ時間がなかった

ダンサーのパフォーマンスが必要だった

馴染みのメンバーがよかった

断られた

理由はいくらでも考えられる。


バンメンもラストの曲が終わり、KREさんは「中華食いに行こうぜ!」と掃けた。

長丁場を演奏し切ったバンドメンバーの皆様を労う軽い調子の言葉に、築かれた関係性も見えた気がする。

だからその時、私が感じたのは残念、だったのだ。

ああ、彼はその輪には入れないのか。

あのサウンドでアレンジされた楽曲を耳にすることはもう無いのかと思うと残念でしようがない。


オリジナルのバンメンとサポートは、そりゃ安定だろうし余所行きとはいえ安心感があるかもしれない。

もちろんサポメン全員長いツアーを共にしたし、思い入れだって私にもある。なんだったら2016年から見てるし去年帯同を知った時は喜んだ。

だけど、なんだろうな、今回の、7/14の主旨から大きく逸脱しているように感じてしまった。これは完全に筆者個人の主観でしかないけど。

大橋トリオのアレンジとホーンセクションついたサウンドであの曲もこの曲も聴きたかったな!!!

これに尽きる。


JUJU姐さんが言った「今市さんとか見たいでしょ?」は皮肉にしか聞こえなかった。

だって音楽を浴びにきてるんじゃないオーディエンスを目にすることがあまりにも多かったから。

C&Rで盛り上げてくれたアーティストは、見える範囲では盛り上がって楽しそうだった。だけど彼の登場で起こった歓声には「え、さっきまで寝てたん???」となっても仕方がない。

いっそ博打打って最後だけ見に入場する潔さの方が幾分か理解を示せる。まぁトリだろうと容易に想像はつくのだろうけど。

なんだろうな、客寄せパンダにされてる感があるし、彼の楽曲も声も全て好きだからこそ辛いのかな。自分の感情がどこに起因するのかうまく説明ができないのだけど。


と、まぁ全て筆者個人の主観をつらつらと書き連ねただけで、モヤっとしたフラストレーションをwebに吐き出すのはどうなのかなと思うところもあるが、ネットの片隅の辺境の地に思いの丈を書き連ねてスッキリしたことにして筆を置くことにする。

今後外部のフェスに出演となると、色々考えてしまうところがあるだろうな。

「今後私の好きなアーティストが出るフェスにLDHのタレントは出ないでほしい」

友人の言葉が耳について離れない。